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指紋は私の太ももをゆっくり撫で上げると、下着の上に指を乗せた。
そして、指を揃えるとぴったりとお尻の膨らみに手のひらを当ててきた。
来た…
心臓が早鐘のように鳴り出す。
がたん!!
電車の揺れが、密着を深くした。
後ろから密着する身体の、微かな匂い。
男くさい匂いだった。
後ろから私の髪の中に押し付けられた鼻が、高そうだなと思う。
そんなことを思っていると、私のパンティのラインを確かめるようにさわさわと指が動いた。
白のレースが際に縁取られたそれ。
そのレースに気づいたのか、硬いものをぐい、と上に突き上げてきた。
『ひ…』
声が漏れそう…
どくん
どくん
と脈を打つそれは、私の心臓と呼応するかのように、存在感を増してきた。
ふー…
後ろから吐息が漏れた。
すると指は、するっとパンティの中に滑って、双丘の間を擦っている。
『イヤ…』
ふいに怖くなり、涙が滲んできた。
今まで、中に手が入ったことはなかった。
ぎゅっと脚を閉じると、行き場の無い指が私の肉に挟まれていた。
『どうしよう…』
自分がぷるぷると震えているのがわかる。
するとぎゅっと握っている左手を、暖かい手が包んだ。
後ろの男…?
なぜ…?
私は戸惑い、そして唇を噛んだ。
くんくん…と
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