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指先
鞄を持っていた左手の脇から、指が延びてきた。
左胸に、指が這う…
左の乳首はそれを待っていたかのように、そそり立っていた。
途端につんざくような快感が脳髄を刺激した。
『何…これ』
両方の乳首をきゅーと擦られると、股間に温かい何かが滴るような感覚が起きた。
イヤ…気持ち…いい
ぶるぶると震えているのは、もう怖いからではなかった。
乳首からのつんざくような刺激に、自分の身体が反応している。
嫌悪感を感じなからも、快感に身を任せていく自分がいた。
『あ…あ…』
ゴーっ…
トンネルだ。音が聞こえない。
がっつりと私のお尻に股間を押し付けている男が、耳もとで囁いた。
『気持ち良さそう…かわいいね』
ぶるっ…と全身が震えた。
『もっとよくしてあげるよ』
意外な声をしていた。
若そうな声。
もっと、おじさんかと思っていた。
30台位の声に聴こえる。
トンネルが終わると、タタン…タタン…と、電車が進む単調な音がした。
指先は、スカートの中に入っていた。
そう…
恥骨から、パンティの中に手が入っていた。手すり側に、眼鏡をかけた凛々しい顔の会社員らしきスーツの男が立っている。
交差するように、私自身が影になって他のひとからは手元が見えなくなっていた。
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