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サァァァァ…
何の音?
水音?
雨?
目を覚ますと、辺りは暗闇だった。
えっと、携帯、携帯……
灯りを求めて枕元の携帯を探したが、手に触れたのは普段とは違うヘッドボード。
えっ?
あぁ!
私、ゆうくんと………
じゃあ、さっきの水音は雨じゃなくてシャワー?
─── ガチャ
ドアが開いて、隣室の灯りと共に上半身裸のまま髪を拭くゆうくんが入ってきた。
「奏、起きた?」
「ゆうくん………
今、何時?」
「9時過ぎだよ。
シャワー浴びる?」
「うん。」
私は起きようとして、自分が一糸纏わぬ姿である事に気付き、慌てて布団の中に潜り直した。
「ははっ。今更隠さなくても……… 」
私が無言でゆうくんを睨むと、ゆうくんはにっこり笑いながら近づいて、そっと口づけた。
「気になるなら、俺は向こうにいるから、
着替えて出ておいで。」
そう言って、部屋の灯りをつけると、隣の部屋へ出て行った。
ふぅぅぅっ………
私は深呼吸をしてから、気をとりなおして、ベッドサイドに散らばる服をかき集めて身に着けた。
リビングに行くと、ゆうくんはキッチンに立っていた。
「簡単に夕飯作っとくから、シャワー浴びて
おいで。」
「うん。」
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