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脱衣所に行くと、綺麗に畳まれたバスタオルが用意してあった。
こんな些細な事に嬉しくなり、私はご機嫌でシャワーを浴びて、ゆうくんの元へ戻った。
「あ、ドライヤー出してなかったね。」
バスタオルで髪を拭く私を見て、ゆうくんがドライヤーを持ってきてくれた。
ゆうくんは、ダイニングの椅子を部屋の真ん中に置くと、
「座って。」
と背もたれをトントンと叩いた。
私がそこに座ると、ゆうくんはドライヤーで髪を乾かしてくれる。
髪を触ってもらうのは、とても気持ちいい。
うっとりしながら、腰まである長い髪を乾かしてもらい、また幸せな気分に浸った。
「ご飯食べよ。」
ドライヤーを片付けながら、ゆうくんが言った。
「うん。」
ゆうくんが焼いてくれたポークソテーを食べながら、私は、幸せ過ぎて、また不安がよぎった。
こんな幸せが、永遠に続けばいいのに…
と思っていたら、食後、私はまたゆうくんにベッドルームへと誘拐されてしまった。
・:*:・:・:・:*:・
1月4日(金)
6時。
外ははまだ暗いが、ほんのりついた灯りが、ゆうくんちである事を教えてくれた。
今日から仕事始め。
帰って、着替えなきゃ。
ゆうくんに背を向けて、ベッドから、そっと抜け出そうとすると、後ろからゆうくんに、ぎゅっと抱きしめられた。
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