0人が本棚に入れています
本棚に追加
電話が鳴ったのは冬夜が目覚めかけた時だ。
「、、なんだ」
『あら、ご機嫌斜めね。寝てたのかしら、ごめんなさいね』
シャルドネだった。
「別に。用件はなんだ」
『そんな冷たい言い方しなくてもいいじゃない。あなたのことが心配だったの。ちゃんと食事は食べた?』
うん、食べたよ。
ねえ、ここへ来てくれないの?
『ダメなのよ、私はそこへ行けないの。いい子だから、ちゃんとご飯を食べて、眠るのよ。毎日電話するから』
君がいないと僕は寂しくて消えてしまいたい。
『そんなこと言わないで、消えないで。私のために、消えないで。冬夜、声聞こえてる?冬夜?』
冬夜はハッとした。
今俺は喋っていたか?
「ああ、聞こえてる。俺、なんか言ったかな」
『いいえ何も。気のせいよ。それじゃあまたかけるわね。おやすみハニー』
電話は切れた。
最初のコメントを投稿しよう!