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あの暑い夏の日、兄が久しぶりに家に帰ってくることを知った。
オレがクラブの合宿でいない日を狙って、帰ってくることも知った。
兄が親の反対を押し切って一人暮らしを選んだのも、
家に寄り付かなくなったのも、その理由は全て、オレなのも。
オレは全てを知っていたから。
知っていたから、オレは兄に会いに行ったのだ。
―――――――兄を見つけ駆け出した瞬間、オレは車にはねられた。
そのときの兄の悲鳴を顔を、オレは忘れないだろう。
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