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「悲しい~ですにゃ~ん」
そう言ったかと思うとミケネコーンは、
「うおおおおっ~にゃにゃ~ん、びえ~ん」と激しく鳴き始めた。この猫の形をした怪獣ミケネコーンは涙が出るらしくて、大きなくりんくりんなおめめに涙をいっぱいためて鳴いている。
どう慰めたらいいのか戸惑ってしまう。
「ボクはお父ちゃまに、こんなんだからきっと見捨てられたんだ~にゃにゃ~ん、ひっくひっく」
「ミケネコーン、泣かないでよ。ほら、これあげるから」
わたしは、ミケネコーンに、お弁当箱に入っているコロッケを差し出した。
すると、ミケネコーンは裂けている口をにぱ~んと更にひろげて笑ってコロッケを受けとる。
そして、ありがとうにゃんと笑ったのだった。
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