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そしてあたし達は服を着た。
あたしは、ネクタイを締める炭谷を見ながら声を掛けた。
「…ねえ、炭谷。」
「はい。何ですか?」
「明日だよね、炭谷の誕生日。」
「ああ、そういえばそうですね。」
そう、明日は炭谷の誕生日。
あたしはこの日炭谷に告白しようと決めた。
「…明日お祝いしてあげる。」
「え?」
「…約束したでしょ。奢るってあの日。」
「…ああ。」
「ああ。って。」
こっちはちゃんと覚えてたのに。
「…ちゃんと覚えてますよ。」
そう言って炭谷はニヤリと笑った。
「…明日、楽しみにしてます。」
そう言ってあたしの頭を触りながら妖艶な笑みで笑った。
(…子供扱いするな。)
そう思いながらもあたしは炭谷に頭を触られ嬉しかった。
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