正義の戦隊その名は...

【苦い過去】

３ヶ月前のことだ。

敵ネオ・アマゾネス軍団は、総力をもって俺達マイティレンジャーに大攻勢を仕掛けてきた。しかしその戦闘スタイルは、それまでのものと大きく路線が異なっていた。

まず奴等は防御力を一切考慮しない、オープンフェイスな上に露出度が高く、ボディーラインがはっきりと判るバトルスーツに仕様を統一。しかも俺達に戦いを挑む以前に、日本全国の主要都市でストリート･ライブを展開していたらしい。

ネオ・アマゾネス軍団はその名が示す通り、女のみで構成された悪の秘密結社だ。その主戦力たる改造ウーマンが、素顔を晒し戦う姿は、否応なしに見守る市民達の目を惹き付けた。

さらに奴等は、その時点でストックしていた改造ウーマンを全てこの一戦に投入。その数４８人とあれば、おのずとマスコミや世間の注目度も高まるというもの。

おかげで決戦前、上がりに上がった奴等の好感度は、俺達マイティレンジャーのそれを遥かに凌ぎ、奴等４８人を退けた俺達に対し、暴徒と化した群集が押し寄せる悲劇を生んだ。

この市民達による暴動の中で、俺の大切な仲間ブルー、イエロー、グリーンが命を落とした...

幸い敵も、全戦力をもって攻勢を仕掛けてきたため、暫くは戦闘に及ぶことはないものと思われたが、大切な仲間を失い、一人となった俺の心は激しく揺れた。

このまま俺一人だけで、本当に日本の平和が守れるのか？ 日々、自らに問いかける毎日が続く。

そんな正義のヒーローとしての自信をすっかり無くしかけていた俺に、司令部から出頭命令が下った。