第8章 春川教官の授業

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教習車に乗る時は、まず、車両の周囲の安全確認することから始まる。その次にドアを開け車内に乗り込みドアロックをかける。 シートを合わせ、ミラーを調整しシートベルトを装着してバックに入ったギアをニュートラルに戻す。最後にハンドブレーキを下ろしてエンジンをかける。 これがエンジンをかけるまでの一連の流れだが、最初のうちは、これがなかなか覚えられない。 特に3回目くらいまでは、 「あれっ、どっちが先だっけかな?シートベルト…いや、ミラーが先かな?」 となる(私だけかもしれないが)。 教習車を降りる時も反対の諸作業をしなくてはならない。 まあ、次第に慣れ頭で考えなくても体が勝手に動くようになるが、私はなかなか出来ず、教官に一連の動作を 『教習生手帳』 に記入してもらい、暇があると読み返した。 エンジンを始動し春川教官の指示を待つ。 「はい用意が出来たら、360度安全確認。はい合図、はいっ、ギアをローに入れてハンドブレーキ、360度確認っ!はいっ、出発っ!」 私を乗せた戦闘機は、無事空母から飛び立った。
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