第14章 法の矛盾

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確かに、信号は別として道路交通法を遵守しながら運転しているドライバーは数少ないと思う。日本は世界有数の法治国家である。法律や条例が厳格に定められており、私たちはその法に守られ日々安心して生活を送ることか出来る。しかし、その法を掻い潜る者もいるように、道路交通法を軽視したドライバーが多いことが今日の交通事故率の高さからも裏付けることが出来る。だからと言って、法定速度をきちんと守って運転していては、後ろの車に迷惑をかけることもある。 交通には流れがある。 時にはその流れに合わせて運転することも大切ではないか。そこには、ある程度の許容範囲があり、最高速度が40キロのところ、50キロのスピードを出して走っていてもスピード違反で捕まることなど、あまり聞いたことはないし、それくらいで取り締まられていたら、日本には免許を持った者がいなくなる。 反面、刑法においては、たとえあんぱん1個盗もうが、高級腕時計を盗もうが、同じ窃盗罪により確実に処罰される。そこには、あんぱん1個だから許されるというものはない。道路交通法と刑法を比較する自体がおかしいが、共に同じ法であることは間違いない。 『道路交通法に許容範囲があって、刑法には許容範囲がない』 そんな矛盾を考えながら白河市の路上を走っていた。
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