2、エルフの里

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木々の隙間から木漏れ日があたり、空気も新鮮で流れている川の水はとてもおいしかった、この世界にも小動物は存在し、リスや小鳥、シカに酷似した動物までいる、前の世界ではこんな場所に訪れることも訪れようとも思っていなかった 「……なんか前の人生、もったいない生活してたんだな」 ぽつりとつぶやいてみたが返答がなく、一人なのだと実感が湧き、寂しくなった、確かに前の世界では1人のようなものだったが少なくともネットの友達はいた、情報交換をしたり、高難易度のダンジョンを攻略したり、なんでもない時間にくだらないことを話したり……充実してなかった、といえば嘘になる こんな暗いことを考えてても仕方がない!僕は神様に強い味方が出来るようにお願いしたんだ、この世界では自由に、そして幸せになってやる! そう意気込んでいると、風の勢いが強くなった、木々がひしめき合い、川の流れが激しくなった なんだ?様子がおかしくなったぞ、まさか敵か?だが戦闘できる程の力や防具がない、こうなったら…… 「ハイセンス、リアクションアップ、スピードオブライト、サーチオール……」 ハイセンスは感覚感度を最大限に上げ、リアクションアップはどんな行動も対応できる、スピードオブライトは30秒しかコントロールが出来ないが1秒間に地球を7周できる程の速さで動きまわれる、ハイセンスとリアクションアップは序盤に覚えるがスピードオブライトに関しては一番最後に覚える技だったかな? 「人数は……8人か、戦士が2、狩人が4、偵察が2、付近に落とし穴、トラバサミ、くくり罠、マキビシetc...すごい罠の数だが自分たちが引っかからないようまぁまぁ離れた場所にいるな、好都合、では先手を打たれる前にこちらから行きますか」 その辺に転がっている丈夫そうな気の棒を拾い、勢いよく駆け出す
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