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「次は外さない、ただ抵抗しないのなら……」
聞こえていないのか次の矢が飛んできた、さっきのとは違い、無数の矢が雨のように降り注ぐ
「ヘヴィーレイン!」
「はぁ、出来れば穏便に済ませたいんだけど、それじゃあちょっとだけお仕置きしようかな、リフレイン」
手元の時空が歪み、矢の方へ向ける
「お前の弱点は矢が魔法であること、そしてこのスキルは魔法を跳ね返す、ハイセンス」
勢いよく前進し、自分に当たる矢だけ外側に弾き距離を詰める、エリーナは技を展開しているため動けなかった
「そ、そんな!来るな!来たらぶっ飛ばすわよ!」
その抵抗もむなしく、技が止んだと同時に弓を棒でたたき落としマウントをとった
「あうぅ!こ、殺しなさいよ人間!」
「別に殺さない、てか旅してるって言ってるじゃん!しかも危害も加えないって言ってるし……」
「嘘だ!私のお父さんとお母さんはそうやって人間の言葉を信じ、殺されたのだ!だから私はお前ら人間を信用しない!」
彼女にそんなつらい過去が……だが同情なんてされても快くは思わないだろう
「確かに両親を殺されて辛いかもしれない、信用できないのも分かる、でも君は信用しないで無抵抗の人間を殺すのか?」
「っ!?そんなことする訳ないだろう!?」
エリーナの顔が強張り、抵抗の力が強くなる
「でも君は危害を加えるつもりもない人間に矢を放った、君の両親も無抵抗だったんじゃないかな、攻撃されないと信用し武器を持たなかった、僕だって同じだ、君と対峙した時僕は武器を構えなかった、君が攻撃をしないと思っていたからね、これじゃあまるで君の両親を殺した人間と同じじゃないか?」
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