3、戦争

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「ごきげんよう、待っていたわ、とりあえずその人間、斬っていいかしら?」 音もなくエリーナの横に現れた女性は、ハヤトに刃を向け立っていた、その顔はまるで新しい玩具を見つけた子供のような笑顔だった 「ひゃあ!ってメアじゃない……しかもその顔、ほんと怖いからやめた方がいいわよ……それに今は抑えなさいよ、これからゴードンさんのところに連れてって会議の続きをするんでしょ?」 「そうしたいのはやまやまだけど、抑えきれないわ!今日はどうやら満月みたいでね……あまり理性が利かないわ、そこに人間という、しかもサラを倒すほどの人間!………興味しかない」 その瞬間、消えるように走り出し、ハヤトに向かって一直線にナイフを突き出した、それをハヤトは武器で弾き、メアも弾かれた反動を利用し、バックステップをして連撃をかます 「ちょ、なんなのこの子!どうしてこんなに好戦的で顔が怖いの!?確かメアってランク4でワーウルフなんだっけか?なんでもいいから止めてくれ!」 しかしエリーナは自分は止められないと悟り、苦笑いをして観戦することに、サラはダーリンの勇姿が見たいと観戦に、レイナは単純に観戦していた あ、助けてくれない奴ですね、別にヤバい訳でもないからいいんですけど!まぁ確かに、ずっと馬車に乗ってて身体動かしたいなと思ってたし、ちょうどいいか 「どうやらやる気になったみたいね……それじゃあ行くわよ、影狼」 メアは姿と気配を殺し、ハヤトは静寂に包まれる、風がなびき、一枚の葉が枝から離れた刹那、メアは姿を現しハヤトの喉をめがけて襲い掛かる、しかしハヤトはそれが来るのを知っていたかのようにかわし、メアもまたすぐに姿を消す
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