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プロローグ ねぇ、知ってる? ケータイ電話の都市伝説。 何でも【解放】してくれるサイ トがあって、そこに登録すると、選ばれた人にしか送られないメールがあるんだって。 そのメールを見たものは、【解放】されるんだって。 ―自分を取り巻く全てのものから― 「どっかで聞いたことのある話だね」  女子高校生のお昼休みは、大抵噂話で盛り上がる。  3つめのパンを食べながら、マカはシラケた顔でそう言った。 「何よぉ。信じてないワケ?」  対して、マカの向かいで紙パックのミルクティーをすすりながら話すミナは不満そうだ。 「ありがちな都市伝説だと言ったまでだよ。『ケータイに送られてくる呪いのメールを見たものは、呪われる』。マンガ、ゲーム、小説、映画、ドラマ、何にでも取り上げられる」 「そっそれはそうだけどぉ…。でも今回はマジだって! 実際、あたしの友達が…」 「ミナ、近しい友達じゃないなら、それは噂に過ぎない」  そう言われ、ミナは言葉に詰まった。  事実、今から言おうとしていたことは友達が友達から聞いた話しで…つまり出所の分からない話しなのだ。 「なっなら、こんな話しはどお? あたし逹、女子高校生の中に、オバケが紛れこんでいるっていう噂話」 三つめのパンを食べ終えたマカは、ゴミを袋に入れた。  興味の無さそうなその態度に、ミナはガックリうなだれた。 「ほぅ。それはどんな話しだ?」  視線をこちらに向けないまま、マカがそう言ったので顔を上げて話し始めた。
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