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「どうしよう、こんな汚れたドレスでは舞踏会に参加できないわ」
「お困りかね、お嬢さん」
「あなたは、近所のコスプレ男の げたんわさん」
「誰がコスプレ男だ!」
怪しい魔法使いのようなコスプレをした男がニヤリと笑う。
「私がドレスを元通りにしてやろう」
「本当ですか?」
「さあ、ドレスを脱ぎなさい」
「変態!」
げたんわさんはぶっ飛ばされて、少し涙目だ。
「違う、変態じゃないんだ。汚れを落とすだけだから。ほらっ、その間はこれを着てればいい」
「なんだ、着替えがあるのね……って、なんでナース服なの?」
「気にするな。では、始める。先ずは薬剤を混ぜた水に浸け……」
……
……
普通にシミ取りしている。
様子を窺っていると、24時を告げる鐘の音が鳴り響いた。
「舞踏会終わっちゃったよ!?」
「慌てるでない。後、3時間もあれば元通りだ」
……終わった。
お城の入り口を見ると、友達の束砂ちゃんがタコデレラをロープでぐるぐる巻きにして連行している。どうやら、タコデレラの野望も潰えたらしい。
私は中途半端にシミ取りされたドレスを回収して、ナース服のまま家に帰った。
【HAPPY BIRTHDAY グレコさん!】
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