ピグというものの話

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ピグというものの話

「助けてくれますよね?ずっと長い時間閉じ込められているのです。わたしには愛する人がいます。でもその人は別の場合にまた閉じ込められているのです。その人の名前はマグと言います。わたし達は恋人です。もうおそらく1000年位、離ればなれになっています。マグに会いたいのです。どうか助けてもらえないでしょうか?もう辛くてこれ以上は耐えられません。お願いです。どうか……。」 「そんなに長い事一体どうして閉じ込められているのですか?もっと詳しく話しをしてもらえないと何の事なのかサッパリ分からないです。」 「信じられないかも知れませんが、約1000年前の話しになります。わたしとマグは愛し合っていました。よく理解出来ない話しかも知れませんが、本当の話しなのです。」 「えーっ!!1000年もって!!そんな長い期間も!!だったら無理なんじゃない?そんな期間の事なんてわたしが解決出来る訳ないよ!無理!無理!無理ー!」 「お願いです!貴方ならきっと、いえ貴方だからお願いしてるのです。どうか。どうかーー。」 (そんな事突然言われてもわたしがどうにか出来ると本気で言ってるのだろうか?……。) 「と、とにかく。話しを詳しく聞かせてください。それからでないとどうにも納得がいかないです!」 ーーー。ーーー。ーーー。ーーー。 「分かりました。全て話します。でも話す前に、これだけは覚えていてください。貴方と会えた事は偶然ではなく必然だっていう事をーー。」 何の話しがしたいのだろうかとみずきは不思議な感じで聞かずにはいられないと思うのだった。 ピグは淡々とそしてまた悲しげに話しだした。 「長い話しになるけれど自分を信じて聞いて欲しいのです!今から約1000年程前の事。ここからかなり遠い国だと思うけど、まだ今はハッキリとは分からないけれど…。わたしの愛するマグと離ればなれになっていました。今だにずっとです。ある民族で育ちました。物心着いた頃にはわたし達はお互いに愛し合っていました。あぁマグ……。愛しい人……。」 ピグは見た目は子供の姿をしているが、どこか大人のように遠い目で悲しげに涙を流しながら、身長は120cmくらいの女の子であった。
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