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ねぇ、夢はある?
夢って夜見るやつ?
違うよぉ。夢!
だからぁ、夢って夜見るあれでしょ?
ちーがーう。将来どうなるとか、そういうの。
あー、そういうのか。それなら、ないな。
えー、ないの?
そう、ない。
なんで?
なんでも。
えー、なんでー?内緒ってこと?
んー、そうじゃないんだけどさ。
教えてよぉ。
だーめ。
いいじゃん。
だーめ。
お願い!
だーめ。
おーねーがーいー。
だーめ。
ちょっとだけ!
だーめ。
ねーねー、ちょっとだけだから!
だーめ。
なんでー?
.............。
.............。
おい、見ろよこれ。
え?なに?もう!誤魔化してるでしょう?!
いいから、ほら!
うわぁ!!!!
...........。
...........。
あの時、彼は結局私に夢を教えてくれなかった。
もっとしつこく聞けばよかった。
でも、そんなことしたら嫌われるって思ったんだもん。
だって、まさかこんなことになると思わなかったんだもん。
.............。
.............。
彼があの時無言で見上げたあの空を。
あの時一緒に見上げた星でいっぱいのあの空を。
私はきっと一生忘れない。
.............。
.............。
ねぇ、そこから見守っていてくれてる?
この星のどこかに、あなたがいると信じてる。
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