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「ごめんね。私と花村は、本当に仲が悪いのよ。ウマが合わないって言うか。きっと喧嘩になるから。そう言う意味で辞退します。皆で楽しくやって」
上手く話を躱したのだが、その言葉が好意的に受け止められていないのは、瞬時に分かることだった。
「旭さん。離婚されてから、休日って何されてます?」
「そうねぇ……掃除とか?あとは料理のストック作ったり、時々実家に帰ったり。友人とランチしたり。それくらいかしら」
「それって、外に出てないのと同じですよ。この面子じゃ出会いにはなりませんけど、普段と違うことを楽しむのって、今の旭さんにとってはきっと大事だと思うんです」
珍しく瞳子が力強く発言をするものだから、旭は何も返せなくなった。
今の旭にとって大事なこと。
瞳子がそう考えてきちんと言ってくれることは、とても有難い。
休日に花村に会うのは本当に嫌なのだけれど、その気持ちに応えたいとも思った。
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