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「旭ちゃん、待った?」
「大丈夫です。先に飲み始めてました」
真弓は予定より三十分遅れてやって来た。
先日旭の家で飲んでいた時約束した、モツ鍋である。
「ごめんね。明日の準備に手間取っちゃって」
「いえいえ。お疲れ様です」
運ばれて来たジョッキを握り、真弓はグビグビ音を立てながら、ビールを流し込んだ。
彼女のこういう思い切りの良さが、旭はとても好きだ。
他愛のない話をして、毅の悪口を言う。
やることは変わりないけれど、彼女がこうしてわざわざ作ってくれる時間は旭の楽しみの一つだ。
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