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「私はね。そういうのも、ぶつけてくれないかなぁと思ったよ。カッコ悪くたっていいじゃない。それでも愛しているなら。どうにもならない現状に苦しんでるなんて、結婚しなければ良かったって。だから、彼とは何でも話したかったのよ。包み隠さず」
「そう、ですね。でも、長谷川さんらしいです」
「そうね。彼らしい。グッと堪えて、表面ではニコニコしている。私はそれが嬉しいようで、悲しいんだけどね。伝わらない」
彼女にとって、平等にぶつかり合えないのは辛いことなのだろうと思った。
なりたい職業に就いて、それ相応の収入を得ている。
そこに恥じることはないのだけれど、愛する人が本音を見せてくれないその原因が、自分の職業にあるような、そんな感じなのだろう。
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