7 夫の裏切り

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「では、これからのお話は、私が間に入って進めてまいります。ご主人様も代理人をお立てになりますか」 「……それは少し考えます」 消えそうな声でそう答えて、辻に聞かれるまま連絡先を伝えると、彼はそのまま席を立った。 二人で見立てたコートと、旭が一昨年あげた誕生日プレゼントのマフラーをしている。 きっとそんなことも忘れてしまったのだな、と旭は少しだけ寂しさを感じた。 何故旭から慰謝料など取れると思ったのが謎のまま、毅は旭と目を合わせずに帰って行った。 「はぁ。先生、有難うございました。これからまた、宜しくお願いします」 「かしこまりました」 辻はやはり、笑っていない。
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