22人が本棚に入れています
本棚に追加
/20ページ
昨日会ったはずなのに・・・
喪服は育毛剤が合わなかったせいかハゲ増していた。
サンライズは、短髪だったのに茶髪のロン毛に。
ピンクは・・・可愛さが増していた。
「ピンク、また会えて嬉しいよ」
「ブルー、私も」
俺たちは手と手のシワを合わせた。
俺たちの周りに黄色い鳥と春が来ていた。
その後ろで喪服が頭を撫でながらこっちを見ている。
「ゴホン!お取り込み中失礼する。」
「どうしたの?喪服」
「ブルー、実は、俺たちも皆キッチンが失くなったんだ」
「え!そうなの?!ダンボールキッチンが?」
「どうやらブルーの家とシンクロするみたいだな」
喪服はそう言って、育毛剤を頭にかけた。
「ねぇ、喪服。ハゲ増してるから、それやめた方がいいよ。頭皮に合ってないよ」
「そ、そんなこと……言うなよ」
喪服は涙目だ。
これまでどれだけの育毛剤をかけてきたのだろう。
これまでどれだけ悔しい思いをしてきたのだろう。
俺は喪服の頭に深く帽子をかぶせた。
「喪服!泣くな!おまえに涙は似合わない!!」
サンライズとピンクがうんうんと頷いた。
「そうだよ!喪服!ハゲてたっていいんだ!」
「そうだよ!ハゲ!ハゲてたっていいんだ!」
サンライズがハゲ!と呼んでしまったことを、俺は聞き逃さなかった。
だけど、今日は無礼講だ!
みんなで肩を抱き合った。
最初のコメントを投稿しよう!