回想

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 だけど――  放って置いたらきっと、この子は母の二の舞だ。  あたしのような子が生まれないだけ、ましというものかも知れないけれど……  非生産的!  奴等は女を、子を産む道具としか思っていないんだ。  下町に住む庶民達は、そうでは無かった。自由恋愛を楽しみ、好きな相手と結婚する。実に、健康的だ。  さすがに、犬族と猫族のカップルというのはあまり聞かないけれど、友情が(はぐく)めるのだから、愛情だって生まれるのは自明の理というものだ。なんの不思議があるものか。
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