依頼

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 猫族と犬族の男女の間に、子は産まれない。  非生産的とは、そのことを言うのだろう。  ミーシャは、全身の毛を逆立てて唸った。 「畜生、くそ食らえだ!」  クリスティーナは、きょとんとただでさえ大きな目を丸くした。 「……あの、今なんと?」  いいとこのお嬢が、こんなスラングを知るはずも無い。  ミーシャは笑い出し、それからクリスティーナをぎゅっと抱きしめた。 「あんたは知らなくっていいんだよ。あたしが力になるよ。犬族も猫族もあるものか。だって、女同士なんだからねえ、ティナ!」 「わたくしのことをティナと呼んで良いのは、トミーだけですの」 「……ったく、七面倒くさい子だねえ。なら、クリスだ」
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