第壱章   蛙人間《ヘケト》

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ショットシェルポーチに特殊手榴弾を入れ、腰に巻く。 カーキのミリタリージャケットを羽織り、首元についている小型ガスマスクの動作を確認する。 口元を覆うと自動でカラス天狗のような形状になるGPS内蔵のマスクである。 無線イヤカフスを装着。高性能イヤホン/マイク搭載で音声のみで操作できる優れものだ。 立ち上がって出発!と意気込んだ矢先―― ププ『特殊保安部隊応答せよ、こちら司令部。特殊保安部隊応答せよ』ププ 「特殊保安部隊ファッジだ」 ププ『ファッジ隊長!パブロバです。まさかとは思いますが北の国(ボリアオーヒ)の軍事施設に行く気じゃないでしょうね?』ププ 「よくわかったな、パブロバ」 ププ『昨日からのアクセス履歴、北の国(ボリアオーヒ)の軍事施設ばっかりじゃないですか!しかもセキュリティ壊しにいってません?勘弁してくださいよ!』ププ 「特殊保安部隊(こっち)が勝手にやってることだと言え。いつものことだろ。司令部(そっち)はお偉いさんに圧力かけられるだろうから国家公務員は黙って見てればいい」 ププ『そういう問題じゃありません!子男鹿(さおしか)司令部長が朝からそのお偉いさんに呼び出されてるんですよ!あなたたちの所為(せい)で!』 ププ「それは悪いことをしたな。子男鹿(さおしか)に謝っておいてくれ」 ププ『それで済ます気ですか?!北の国(ボリアオーヒ)なんかに手出して国際問題になったらどうするんですか!あ、ちょ』ププ ププ『あ、泡雪(あわゆき)です。うちのパブロバがうるさくてすみませ~ん』ププ 「ああ、泡雪(あわゆき)。そいつを黙らせておいてくれないか。もちろん任務成功したら手柄はやるから」 ププ『はい、黙らせますね♪いつもありがとうございます!がんばってくださ~い』ププ ほっと一息つきファッジが言った。 「パブロバは泡雪に任せておけば大丈夫だろう」 「あいつそんな強い女なんすか?」 ガレットが眉間にしわをよせる 「…パブロバは泡雪のことが好きらしいよ」 「えっ!なんでそんなこと知ってんだよ」 ガレットが興味心身でラミントンの顔を覗き込む。 「…本人に言われた。あと邪魔するなって…メッセージでだけど…」 「お前なんでパブロバとメッセージ交換してんだよ」 「…知らない。勝手に送ってくる…隊の個人アドレスに」 ラミントンはそう言いながら愛銃を手入れしている。 「泡雪がラミントンのこと好きだからだろ?」
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