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もうそこからは、欲望に任せて求め合った。
窓際にあるテーブルに手をつかせて、浴衣を捲り上げる。
「あっ……ダメ!浴衣シワになっちゃう……」
小さな抗議が耳に届いたけど、聞き入れる余裕もなく一気に貫いた。
ひなきの中が締め付けて絡み付いてくる。
「やばい……締めすぎ……」
「だって……ぁっ……」
押し寄せてくる衝動を抑え切れない。
しっかり腰を掴んで何度も突き上げた。
やがて一層締め付けが強くなって、堪え切れずにゴムの中に欲望を放った。
「……ゆうくん?」
「やばい……ちょっと回った……」
ひなきの言う通り……やっぱりちょっと飲み過ぎていた。
パァーン パンッ
遠くで花火の音が聞こえる。
「……ごめんな、花火」
「いいよ!何回も見たことあるから……それより大丈夫?」
「ああ……」
酔っ払って我を忘れて襲って、結局倒れるなんて失態を晒したのは初めてだ。
ひなきは既に着替えて、浴衣は綺麗に畳んで置いてあった。
「浴衣も大丈夫?」
「うん!……これは借り物だから、今度自分の買いに行く!……ゆうくんの好みの浴衣、選んで?」
……ああ、やっぱり小悪魔だ。
夏の所為でも浴衣の所為でも酒の所為でもなく、心を揺さぶって掴んで離さないのは。
……でもたまには何度でも欲望に身を任せるのもいいかと、ガンガンする頭で考えてみる。
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