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「ゆうくんがすぐ助けてくれたから……大丈夫……」
浮き輪に両手で掴まると、後ろから体を包むようにしてぎゅっと抱き締められる。
「ひなきは危なっかしいから、本当はずっと傍に置いときたいぐらい心配」
「えっ?…それって仕事中も?」
「ああ……大学とか店で声かけられてないかとか」
……嘘……ゆうくん仕事が忙しくて、あたしのことなんか忘れてるかなって思ってた……。
そんな風に思ってくれてたなんて、嬉しすぎて涙が出そう……。
「ゆうくん……大好き」
「……俺も……水着、俺以外の前で着るなよ」
きゃー!!
独占欲嬉しいー!海マジック!!
「ここ、人全然来ない穴場なの!」
少し離れた砂浜にゆうくんを案内する。
小さい頃からお兄ちゃんやリヒトとよく遊びに来た、秘密の場所。
いつかここに恋人と来れたらって想像もしてた……本当に叶うなんて……。
「ここならパーカー脱いでもいいよね?」
「ダメ」
「えーっ!なんで!?」
今度は正面から抱き締められる。
素肌が直接触れて、ドキドキ…きゅんきゅんしちゃう…!
「……俺が我慢出来なくなる」
「!!……そんなこと言われたら、あたしも……あ!でも……もうすぐリヒトと交代の時間……」
夜だって、部屋は女部屋と男部屋で別れるもんね……。
「……じゃ、今だけ楽しもう」
優しく微笑むと、抱き締めたまま唇を合わせた。
大好きな海。
大好きな場所で。
子どもの頃から憧れてた、大好きな人とのキス……。
最高の夏の思い出!!
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