スキナツ

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3.ミクの好きなもの 海に行く前に、あつしがイイ物があるからって車に寄った。 「わーすいか!」 「好きだって言ってただろ?」 「うん、大好き!しかも丸々一個?」 あれ?でもどうやって切るの? 「ミク……前にスイカ割りしたことないからしたいって言ってたから」 「えーいいの!?すごーい!」 思わずはしゃいだあたしを、ニコニコとあつしが見つめてる。 ……もしかしてまた、子どもっぽいって思われてる? 「あつしはしたことあるの?」 「うん、みゆもスイカ好きだし。よく家族でやる」 道具も一式持って来てくれていた。 砂浜の人の少ない場所に移動して、レジャーシートの上にスイカを置く。 「あたしが割るの?」 「もちろん。やりたかったんだろ?」 ハチマキのような布で目隠しをされる。 ……それだけでなんか不安と緊張が高まる気がする。 「あつし?……いるよね?」 クスクス笑い声。 「もちろんいるよ。スイカの場所分かる?」 「全然分かんない……」 突然、背中に指がツーっと触れる。 「あ……っ」 「どうした?場所教えてあげようと思っただけなんだけど……」 「ご、ごめん……」 視界が遮られてるせい? 体が敏感になってるような……。 恥ずかしくて顔が熱い。 「……ほら、こっち……」 また、今度は両方の脇腹に指が……。 「ゃっ……んん……!」 ……絶対変! ワザとこういう触り方してるよね!? 指は止まることなく体中を這い回って、あたしはスイカ割りどころじゃなくなってしまっていた。
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