オリジナル

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「あ、美奈子いたんだ」 「……うん」  女関係って本当にめんどくさい。  いちいち都合を合わせて、放課後にショッピングしたり、パフェ食べたり。その後決まってインスタやらツイッターやらにその現場を投稿したり。  次の日の会話はそのネットに投稿された内容に固執し続け、盛り上がっている。  私はその現状を、現実に目を向けない愚かさだと思っている。  まるで、ネットに生かされているのだろうか彼女たちは。  毎日毎日飽きずにそんな事をしている彼女たちには鬱憤が溜まっていく。もちろん、それを口に出さずに流れるままに行動する私にも。  自己嫌悪に陥りそうになったところで、教室の入り口で女子生徒同士が喧嘩をしていた。 「ちょっと、どういう事?」 「……いや、本当のことを言っただけじゃん」 「――っ、ア、アンタ。だから友達いないのよっ!」  半泣きでクラスメイトが教室外に出ていく。  取り残された片方は、何事もなかったかのように眼鏡をかけ直して、サッと読書に耽る。  本を読んでる彼女はいつも一人で学校生活を送っていた。     
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