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部員は数名いるらしいが、一度も見た事が無かったのでおそらく幽霊部員だと思う。
だから部室では一人ちゃんと二人でいることが日常である。
一人ちゃんなのに二人、というのはなんだか奇天烈で噴き出してしまいそうになるけれど、今さら彼女を名前で呼ぶのも恥ずかしいし、結局そのままでいる。
部室は狭く古臭い空き教室だけれど、身体を動かすこともないし、より近くで一人ちゃんを感じられるので私はわりと好きだ。
そんな一人ちゃんを観察してて気づいたことがあった。
〝自分になれ″、ということだ。
前々から彼女自身は、自分自身の意思で行動していた。
それは教室での振る舞いだったり、私との会話だったり、節々に感じる部分は多かった。
誰にも気を使うことなく、自分自身の欲望のために行動する。
それは時にコミュニティやグループから疎外されることもあるだろう。
しかし、自分の人生を他人に任せるほど自分の人生は安くない、と思っている。
おそらく彼女もそう思っているはずだ。
確かに他人に合わせることも大事な場面はある。
でも、すべてを他人に委ねてしまうのは結局のところ自分自身を苦しめるだけである。過去の私がそうであったように。
そんな感情を抱いていたままではいつか息切れしてしまう。
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