オリジナル

6/11
前へ
/11ページ
次へ
「んじゃ、美奈子。何の用だったんだ?」  颯爽と会話を進める彼女に、テンポを合わせるべく身を乗り出す。 「いや、一人ちゃんはいつも教室で読書してるよね?」 「それが?」 「だから、それが?」 「どうすればそういう風に生きていけるの?」  ぽかーんとしてる一人ちゃん。  暫しの間があり、 「やっぱ私の事バカにしてね?」  私の説明がどうも通じていないようだった。 「違う違う!」 「冗談だよ、何か理由があるのか?」  何だか話がスムーズに進むなぁ。 「うん、前々から思ってたんだけど、ほら。女関係って若干面倒くさいと思わない? いっつも友達に合わせて話したり、家にいる時でも同じグループの友達のツイッターを確認したり。正直、私はそういうのあんまり好きじゃないんだよね。でも、人間関係を疎かにするのも良くないって思っちゃって……。結局、私自身何も行動出来ていないんだ」  イチゴラテを飲みながら話を聞いている彼女は、特に反応が無い。  私はそれを、話を続けろという意味と捉えた。     
/11ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2人が本棚に入れています
本棚に追加