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「そうだね、やってみようかな……。あ、でもいつも一緒に帰ってるグループの子にはなんて言おう……」
こういうところが私の弱いところだ。
いつも保身に走って新しいことに挑戦できないでいる。
自分が嫌いな人種に自分がなっている。
このジレンマから解放されたいから今日一人ちゃんに話しかけたのに。
「いいじゃん、別に気にしなくても。それで友達じゃなくなるんなら、そいつらとは仮初の関係だったってだけじゃん」
ああ、何度この人に救われるのだろう私は。
「うん、そうだね……! 分かった、私、文芸部に入るねっ! これからもよろしく一人ちゃん!」
それから二週間くらい経った。
女関係は面倒くさいと思っていたけれど、一人ちゃんだけは、女という枠を超えて人間として接してくれていたので、特にそう思わなかった。
一人ちゃんと仲良くなるのと反対に、いつものグループの友人とは疎遠になっていった。
別にそれが寂しいとは思わなかったし、一人ちゃんが言う通りその程度の関係だったのだろう。
毎日ツイッターを確認しなくてよくなったり、放課後にどこかについていく必要もなくなり、私自身は気持ち的にも楽になりつつあった。
最近の放課後といえば、文芸部に遊びに行っている。
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