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A「あなたが私を好きだということは、知っているわ。
私も、
あなたのことが、好きよ。
好きだけれど……
私が好きなのは、
あなたの、
顔、
それだけよ。
この想いは、誰にも負けない自信があった。
勿論、あなたよりも。
でも……
あなたの想いの方が、強いのかもしれないわね。
だから私は、
あなたの想いに応えられるように、努力すべきなのかもしれない。
____
____
__
今度は……
あなたの顔、だけじゃなくて、
あなたの……
体の隅から隅まで。
肌の下、
ナカミ、
骨の髄まで、あなたを……
私のカメラに収めるわ」
B「…………
僕の想い、
そして……
僕の顔、以外が、
ようやく認めて貰えるんだね。
僕が好きな、君。
僕の望みは、そんな君と共に在ることだ。
生きて、
そう在ることはできそうに無いけれど、
写真として、
僕は、君に寄り添い続けることができる。
こんなに嬉しいことはないよ。
あぁ、でも……
こんな記念すべき時に、欲張ってもいいかい?
最期ではない最後に、
僕の願いを聞き入れてくれるかい?
………………
どうか、
君が、僕を撮る間だけ、
君の体に、手を回させておくれ」
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