兄ちゃん、ツラ貸しな?

7/9
3280人が本棚に入れています
本棚に追加
/847ページ
(……………ゴメンな、千。俺、女に産まれれば良かったのに。)  千乃がどれほど、天音を大切に想い・慈しんでくれているかは、痛いほどわかる。女に産まれ、千乃と愛し合えたなら、それほど幸せなこともなかっただろうけれど。  でも。天音は男として産まれたからこそ、千乃と出逢い、親友として絆を結べたのだとも思う。 -もし。天音が女として産まれてたら、千乃  と出逢うことさえ、なかったかも知れない-  そんなこと、考えたくもない。天音にとって、千乃は無二の………そして、得難い親友なのだ。  一般的に、一生涯付き合ってゆくだろう親友と呼べる存在は、高校時代に出逢うことが多い、と言う。  それが全てとは言わないが、一理あることも確かである、と天音は思う。事実、天音の父の秘書をしているのは、父の高校時代からの友人である。 (※因みに、高校時代。天音の父は生徒会長で、秘書の男性は会長補佐だった。)  まぁ、一生涯付き合う友人が、公私共にするかどうかは、別として。とは言え、相性もあるだろうが、結局は本人達次第だとも思われるが………。
/847ページ

最初のコメントを投稿しよう!