俺のことが知りたい?

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-5月 清陵学院 第三会議室-  陽当たり良い窓際に置かれた、柔らかいソファーベッド。そこに横たわり眠る男子生徒。  ムラなく綺麗に染められた長い金髪に、健康的ながらも色白な象牙色の肌。閉じられた瞼を縁取る睫毛は、女子が羨むほど長く多い。  ぞれよりも。何故、学校の………しかも、第三にソファーベッドがあるのか?だが、よく見ると室内にはテレビ、テレビ台にはブルーレイプレイヤーと10枚ほどのディスク。  文庫本やライトノベルの入った3段ほどの本棚があり、簡易キッチンまで付いている。およそ会議室とは思えない内装だった。  唯一会議室らしい物と言えば、ソファーベッドの側に置いてある10人程がテーブルと椅子。それも某高級メーカーのもの。椅子は8脚しかなかったけれど………。  そんな中、軽やかなメロディが静かな室内に響く。その音に意識を揺り起こされたらしい男子生徒は、ブレザーの内の胸ポケットに入ったスマホを手に取り、相手も確認しないままタップした。 「んー、誰かな~?」  相手が誰だか確認しなかったので、咄嗟に『チャラ男演技』をしつつ、口を開いた。
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