俺のことが知りたい?

4/33
前へ
/847ページ
次へ
「わかってるよ☆っつーか、今何処にいんの?急用?そうでないなら、寮に戻ってからじゃ駄目なん?」  相手が唯一、自分の素を知っている親友だとわかったので、天音は『普通』にシフトチェンジして問い返した 『〝☆〟じゃないよ。わかってんなら、切ろうとすんなし!………はぁ、いいよ、もう。 寮のエントランス。大事な話だと思うけど、急じゃないし。』  天音には言うだけ無駄だとわかったのか。千乃は盛大な溜め息を吐いて、そう告げた。 「んじゃ、今から帰る。俺の部屋?何なら、そっち行くけど?」  そうは思えないながらも、天音と千乃はトップクラスの頭脳の持ち主で、それ故のSクラス所属の特待生であった。  だから、二人とも同じ9階に部屋がある………と言うか、がっつり隣人なのだ。 (天音が学年3位で、千乃が4位だから。) 『……戻って着替えてから、そっち行くわ。 そんでちょうど、(あま)が部屋に戻ってる頃だろ?』  寮は、かなり広大な清陵学院の敷地内にあり、歩いて10分足らず。学年3位の天音の部屋はエレベーターを降りて直ぐの位置。4位の千乃の部屋はその奥に位置している。
/847ページ

最初のコメントを投稿しよう!

3300人が本棚に入れています
本棚に追加