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「わかってるよ☆っつーか、今何処にいんの?急用?そうでないなら、寮に戻ってからじゃ駄目なん?」
相手が唯一、自分の素を知っている親友だとわかったので、天音は『普通』にシフトチェンジして問い返した
『〝☆〟じゃないよ。わかってんなら、切ろうとすんなし!………はぁ、いいよ、もう。
寮のエントランス。大事な話だと思うけど、急じゃないし。』
天音には言うだけ無駄だとわかったのか。千乃は盛大な溜め息を吐いて、そう告げた。
「んじゃ、今から帰る。俺の部屋?何なら、そっち行くけど?」
そうは思えないながらも、天音と千乃はトップクラスの頭脳の持ち主で、それ故のSクラス所属の特待生であった。
だから、二人とも同じ9階に部屋がある………と言うか、がっつり隣人なのだ。
(天音が学年3位で、千乃が4位だから。)
『……戻って着替えてから、そっち行くわ。
そんでちょうど、天が部屋に戻ってる頃だろ?』
寮は、かなり広大な清陵学院の敷地内にあり、歩いて10分足らず。学年3位の天音の部屋はエレベーターを降りて直ぐの位置。4位の千乃の部屋はその奥に位置している。
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