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「そうそう。その春川から聞いたんだが。
来週の月曜に、転校生が来るらしいんだ。」
千乃はそう言うけど、今日は木曜日だから4日後。しかも、今はGWも終わった5月中旬。
夏休み後の二学期………せめて来月(6月)頭からなら、ともかく………
「転校生?へぇー。それにしても、えらく中途半端な今の時期にねぇ。
何かワケありなコなんかな?」
無論、中途半端な時期なのだから、普通の転校ではあり得ないだろう。とは言え………天音は、その転校生について興味はなかった。
「当然じゃん!この中途半端な時期に来る転校生なら、きっと『王道』だよー!
いやぁ~、高等部に上がってから幾星霜。どれほど待ち望んだことかっ!!」
鼻息荒く『はぁはぁ』と、わけのわからない熱弁を振るう千乃に天音は冷めた目を向けて言った。
「幾星霜って、高等部に上がってから1年ちょっとしか経ってないだろ?
お前、どんだけ留年してるつもりだよ。」
某BLゲームの『眠り姫(笑)』やら、某乙女ゲームの『白ランの生徒会長』じゃあるまいし。そもそも、千乃は天音と同い年(誕生日は千乃が先)で、初等部から一緒の仲だ。
「ってゆーか『王道』って何?」
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