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おまけに千乃の父は祖父の一人息子だ。それ故に、直系の孫である千乃は、その祖父にとても可愛がられている。
「でもさー、俺はじっちゃんの権力を盾にする気はねーもんよ。」
千乃はこの清陵学院においては、珍しいタイプだ。清陵の生徒は、とりわけ自分の『家柄』をひけらかすような輩が多い。
まぁ、所謂、金持ちの坊っちゃんばかりの学院故の伝統と言ってしまえば、それまでだが。
『生まれた家で、その後の人生が決まる』と言うのは、昔の話だと言うが現在でも多少のことは、生家で決まるのは変わらない。
昔と違うのは〝身分制度がない〟と言うことだけだろう。一般家庭出身でも、玉の輿に乗ることや、逆玉の輿もあり得る。
ただ、由緒正しい家柄と言うのは、相手(恋人でも婚約者でも)に『当家に釣り合う家柄』を求めることも多い。
実際、両親や親類縁者に反対され無理矢理別れさせられたり・駆け落ちしたりと言うのもある。まぁ、後者の場合。かなりの覚悟が必要であるが………。(※主に経済的な意味で。)
駆け落ちの場合だと、元々の銀行口座は使えなくなる。(居場所がバレるから。)
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