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したがって『正統派』だの『アンチ』だのと言うのが、一体何のことなのか、さっぱりわからなかった。
「そもそも、何なんだよ『王道』って?」
「あ、聞く?それ、聞いちゃう?少し長くなるけど………」
天音の問いに〝よくぞ聞いてくれました〟とでも言いたげな、ドヤ顔で(熱く)語ろうとした千乃。
……………けれど……………
「そっかー。長くなるなら、また今度☆」
キラキラなイイ笑顔で一刀両断にした天音。自他共に認める親友である千乃だが、特に『腐』のつく話に関してはウザいくらいの熱弁を振るう。ぶっちゃけ、ドン引きしていいレベルだ。
「そんなこと言わずにさー。」
天音にキッパリと拒否られた千乃は、不満そうに唇を尖らせて言う。
「ええ?メンドくさいなぁ……………。
だって、長くなんだろ?」
天音は、可愛い子(主に親衛隊メンバー)の話ならば、いくらでも聞いてあげたいところだが、千乃はお世辞にも『可愛い』とは言い難い。
顔の造作は一応、整っている方で、そこそこイケメンとは言える。だが『可愛い』と言うのと『イケメン』と言うのは同義じゃない。
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