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「それらを、全部読めば『王道』についての知識はバッチリだぜ♪」
ドヤ顔で『ビッ』と親指を立てた千乃に『イラッ』とした天音は、一瞬、その親指を折りたい衝動に駆られた。
しかし、その衝動を抑え込めることの出来る、寛容さを備えていた。そのことさえ恨めしく思う。
「………って言われても………。これら読破するのもメンドくさそうなんだけど。
そもそもさぁ、これ読むに耐えられる内容なワケ?」
あまりに、腐的な展開ばかりだと読了する前に、心が萎えそうだ(折れそうではない)。『王道』を理解する前に、読む気が失せては意味がない。
「ああ、そりゃ問題ない。ただ、それに出てくるのが『アンチ王道転校生』なんだよな。」
内容を思い出したのか、千乃が困ったような笑みを浮かべた。王道は王道でも『アンチ王道』は全力で遠慮したい。×ボタンでダッシュ逃げしたいほどなのだ。
「その『アンチ』ってのもわかんない………
まぁ、それもこれらを読めばわかるって言うなら………。」
天音は読書自体は嫌いではない。普通の小説もライトノベルも、漫画も好きだ。何にしても、読むと言う行為自体が好きだからだ。
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