俺のことが知りたい?

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 ただティーン向けのラブストーリーなどより、冒険ファンタジーを好み、ハッピーエンドで終わるものがいいだけ。  読んだ後に『悲しい気持ち』や『嫌な気持ち』になるのが嫌だったからだ。まぁ、千乃が手渡した本は大丈夫だ。読んでる最中はともかく、最後はハッピーエンドで終わる。 「じゃあ、俺は部屋に戻るわ。『転校生』については、それら読み終わった後にでも、また話そうぜ。」  そう言うと千乃は、コーヒーを飲み干し部屋から出て行った。玄関のドアはオートロックになっているので施錠の必要はない。  天音は手渡された本を見つめる。ライトノベルが二冊、普通の厚さの小説が二冊。今日中に全部読破するのは無理だろう。 「ライトノベルから読むべきか、普通のから読むべきか。それが問題だ………。」  セリフ的にも、気分は『ハムレット』だ。結局、悩んだものの、ライトノベルと普通のものを先に一冊ずつ読むことにした。
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