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教室に向かいながら、そんな会話をする。天音は贔屓はしないし、みんなに分け隔てなく優しい。よく言えば、平等………でも、悪く言えば八方美人だ。まぁ、それも『演技』だけど。
(でも。勘違いする奴、っているんだよなぁ。)
千乃は、そんな風に思う。千乃は自他共に認める、天音の親友である。だから、時折〝恋愛相談〟を親衛隊メンバーから受けるのだ。
『天音を本気で好きになってしまった』のだと。天音は遊び人のチャラ男だと周知されてるから『躰だけでも繋がりたい』と。
-でも、実際。天音は誰も抱かない-
誘われても、絶対に抱かない。と言うのは天音なりのポリシーであり、親衛隊メンバーへの思いやりでもある。
相手が本気なら尚更、傷が残るから。『好きな人に初めてを捧げたい』と言う気持ちは、天音だってわかる。
でも、愛のない行為だけは絶対に駄目だ。他人の性的行為は否定しないけど、自分のこととなれば、話は別だから。
そもそも、天音はゲイじゃないし『童貞』だ。実際、中等部の頃。可愛い系の生徒に押し倒され、無理やり童貞喪失しそうになったこともある。
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