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そう口を開いたのは千乃である。普通は総隊長たる天音が仕切るべきだが、これはいつものことなので、誰も気にはしなかった。
「あの。今日の議題って、やっぱり今度来るって言う『転校生』のこと、ですよね?」
おずおずとそう問い掛けたのは、その『転校生』の情報をもたらした、わんこ会計こと宗像 知寿の親衛隊隊長である『春川 匡詞』。
「確かに、こんな時期に『転校生』って珍しいけど、親衛隊会議の議題にする必要ってなくね?」
気怠げに言ったのは、双子書記の兄・湊 優の親衛隊隊長である『加賀 玲都』だった。3年生だが、気さくで『タメ口でいい』と言うので、天音と千乃はタメ口に近い敬語で話している。
バイであるが『俺がネコなんてあり得ない』と言うバリタチで、優を〝抱きたい〟と思っているらしい。
「でも、わざわざ天音様が議題にするってことは、何か事情があるんですよね?」
首を傾げながら、そう問い掛けたのは、副会長親衛隊隊長の『及川 直』。天音と同じ2年だが、可愛いネコ系男子だ。
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