天音と千乃 ところにより松川

10/13
前へ
/847ページ
次へ
 ともあれ。松川の加賀と天音・千乃に対する評価は、決して悪いものではなく、寧ろ、この学院内に於いて、他にはないほどの〝高評価 〟である、と言っても過言ではなかった。  松川は確かに顔こそ平凡だ。(※それでも、世間一般の基準では、整っている方なのだが。)しかし、それに反して、観察力や分析力に優れている。〝特待生〟の肩書きは伊達でも真田でもないんだろう。  実際、学力順位に限ったことで言えば、天音や千乃の上なのだから。ただ、運動神経はいい方ではないので、スポーツ全般得意な天音と、身体能力〝化け物級〟の千乃には遠く及ばないのだが………。  世間一般の基準値が、この清陵学院では通用しないだけだ。松川の運動神経は世間一般の基準値から見て、の話だケド。それ以外のことについて、だ。  一部の特待生(※千乃もに当てはまる) を除いて、生徒のほぼ全員が、100人中100人が『セレブ』だと断言する人種だからだ。  家柄・容姿・学力………どれをとっても、日本トップクラス。家柄だけで言えば、世界屈指と言って過言ではない者もいるくらいだ。  生徒会長である遥希の実家『御園生コーポレーション』が、に当たる。『御園生コーポレーション』の事業は多岐に渡り、海外数ヶ国の主要都市に〝支社〟があるくらいなのだし………。  生徒会親衛隊メンバーの中にも、海外支部を持つ社長令息や、世界有数のコングロマリットの令息などもいる。    -跡取りがどうかは、別にして-
/847ページ

最初のコメントを投稿しよう!

3300人が本棚に入れています
本棚に追加