3300人が本棚に入れています
本棚に追加
〝直系子息だから〟と言って、必ずしも跡取りになるわけではない。兄がいたり、優秀な親族がいたり、と言う家もある。
完璧、実力主義である場合は、後者を取るだろうし………まぁ、前者でもあり得ることではあるが。
しかし。顔の広さ………と言うか、人脈に関しては、天音(の母)に勝る者は、少なくとも、この学院には存在しない。
『国際的大女優 城戸 音羽』は、今尚、伝説的な存在となっている。人気絶頂期に引退し、一切復帰しないことも含めて。
未だ、政財界………しかも、日本のみならず、世界各国に熱烈なファンを持つのだ。だからこそ、天音を芸能界に引きずり込めば、もれなく『城戸 音羽』を復帰させられるのでは?と考える、芸能事務所やプロダクションも少なくないようで………。
ただ。肝心の天音が、驚くほどに芸能界に興味がないだけ。まぁ、オファーが『女装のみ』だからかも知れないが………。
そもそもからして、天音は1人息子だし、有能でもあるので、いずれ父の跡を継ぐことが、ほぼ確定している。
天音自身、そのつもりでいるので、やっぱり芸能界には興味がない。社長業と言うのは、二足のわらじで問題なく遂行できるほど、楽な仕事ではない。
まぁ、面倒事を全て部下に丸投げしている、無能な社長(及び重役)もいるのはいるけれど。
天音の父は、社長としては有能な人物だし、部下からの信頼も厚い、好人物と言える。
ただ、母・音羽にベタボレで、万年新婚夫婦のようなラブラブぶりは、ぶっちゃけウザいんだが………。不仲であるよりは良いのは確かでもあるとは言え、ウザいことには変わりはない。
最初のコメントを投稿しよう!