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彼女がいたことさえない天音が言うのもなんだが、天音は彼女(恋人)が出来ても、あんまりベタベタ・イチャイチャしたいとは思わない。
淡白なワケではないが、心の結び付きをこそ、大事にしたい。目には見えないものだからこそ、不安定で不確か………そして、無防備だから。
-そんなことを延々、考えていた天音。不意に伸びてきた指に『グリグリ』と眉間を押される。
「いいい痛い、痛いって千ぃ☆抉れるぅ、眉間抉れるからぁ~!」
「んな強く押してねーだろ。眉間に皺寄ってたから。」
「………それぇ、口で言えばいいだけ~じゃ?」
「眉間の皺ってクセんなるって言うから、親切心的な?」
「何で~、微妙な疑問形なのぉ?ってゆーかぁ、頼んでないし~☆」
フツーに考えて〝眉間に皺がよっているから、押してくれ〟と頼む、キテレツ(死語)な人間はいないと思われるが………。
元より、自覚してと言うか。意図的に眉間に皺を寄せる人間もいないだろう。
自覚しているか謎ではあるが。年がら年中、眉間に皺を寄せている(私見)、S組のH氏のような男もいるだろうけれども。
まぁ、H氏の場合は〝オカンな苦労性〟と言うか、気苦労が絶えないからだろう………色々と。
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