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「んで?難しいカオして、何考えてたん?」
「ん~。近い将来のぉ展望的な〝未来予想図〟について~?」
「何だ、そりゃ?ド〇カ〇か?」
「や、歌の題名でなく。」
千乃の天然な疑問に、天音の『チャラ男演技』が、一瞬崩れた。千乃は勘が良く、共有した時間も長いせいで、察しも良い方なのだが。
時折、天音の想像の斜め上をいく天然な発言をする時がある。無論、それ自体は悪いことではないけれど………。
「いや、好きだよ~?〇リ〇ムはぁ(作者も)好きだけど~☆『未〇予〇図』なら~『Ⅱ』の方が好きかなぁ…………って、そーじゃなしに。」
「わかってる、冗談。………で、〝将来〟って進路か?天は親父さんの跡、継ぐんじゃねーの?」
「まーねー☆そのつもりだけどぉ、まだ~継いだワケじゃないしぃ。」
「………天なら、音羽さんの跡を継ぐって選択肢もあるケドな。」
「継ぐトコないでしょお☆あの人自身の~事務所とかがぁ、あるワケでもなし~。」
自他共に〝天音の親友〟だと認める千乃は、当然天音の母が、かつての国際的大女優『城戸 音羽』であることは知っているし、実際、面識もある。
天音が、モデルの代役として『女装』したのも知っているし、そのせいで〝女装モデル〟としてのオファーが来ていることも、天音自身から聞いていたから。
「そんな深刻に考えなくても、いいんじゃね?〝仮装〟だと思えば。音羽さんに画像、転送して貰ったケド、天………綺麗だったし?」
「はぃえ?!な、ちょっ?何、それ~っ?!何してくれちゃってんのぉ~っ?!」
予想だにしない、千乃の爆弾発言だったが、今度こそ『チャラ男演技』が崩れなかった天音は、称賛に値する。
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