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だが。自分がそうじゃないのは、早々に『腐男子受け』と言うジャンルを知り、〝俺はこうはなるまい〟と言った反面教師的なものだったらしい。
事実、三島には他校に、可愛い彼女がいると言う。腐男子の癖に生意気な、爆ぜればいいのに。まぁ、その彼女とやらも、相当な『腐女子』らしいので〝類は友を呼ぶ〟のだろう。
実際、三島の『BL』に関する勘は秀逸で、校内カップルを発見することも多く、そのカップルについて、毎晩のように彼女と『腐トーク』をしては盛り上がってるらしい。
因みに今のイチオシは『溺愛不良×巻き込まれ平凡』らしい。残念なことに今まで『王道転校生』がいなかったので、誰も巻き込まれることはなかったのだが………。
千乃よりも1年長く、『王道転校生』を待ち望んでいたであろう三島が、興奮するのも無理はないかも知れないが、今はそれどころじゃない。
「落ち着いて下さい、三島先輩。話が進みません。………天音様、どうぞ続きを。」
三島の制服の裾を引っ張って席に座らせ、話の続きを促したのは、優等生風の眼鏡の似合う知的な生徒。名は『牧原 笹乃』。
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