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そう言う天音に、にっこりと微笑まれた春川は、耳まで真っ赤になった。天音もかなり整った顔立ちで〝綺麗寄り〟と言えるタイプだ。
ただでさえ〝綺麗寄り〟だから、天音を慕うシャイで可愛い親衛隊メンバーには、天音の笑顔は効果抜群だったのだろう。
-無論、天音は自分の笑顔の威力をよく理解
している-
無自覚美人ではなく、わかっててやっている、言わば確信犯だ。
「あの、天音様。俺………転校生の名前なら一応、知ってます」
そう言ったのは、牧原だった。何故、知っているのかはわからないが……………
「えっ、牧原君………それ、ホント~?」
「はい、名前は『須王 千夏』。父は化粧品会社の社長で、母は実業家の令嬢だったそうですが。けど、学院のレベルで言えば中堅です。」
学院のレベルと言うのは、所謂、家柄の権力と財力。中堅と言うことは、権力・財力ともにそこそこ。
端的に言ってしまえば、可もなく不可もなしと言うことだ。
「へぇ~……………んん?あれぇ?須王?
『須王』ってことはぁ、その子、今の理事長の関係者~?」
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